Nanakuli

Lualualei_VLF Transmitter

2004 -  1,412 x 950 (mm)

West of the Sun, East of the Moon at Lua Lua Lei

O’ahu   West Shore Sight

私の青年時代、大好きだった、トルストイの長編「アンナカレーニナ」の最後の章は、主人公と妻とのバルコニーでの語らいで終わります。

ここは、ハワイ・オアフ島西海岸の、あまり知られる事のない、Lua Lua Lei と言う地域の溶岩ドーム状の不思議な山です。

長い年月の自然の力による浸食も、かなり進んでおり、角がとれた優しさで満ち溢れております。

千歳鶴の大吟醸酒、「吉翔」と、「雪原の舞」が、せせらぎの中で、冷やされております。

ボトルの横には、2個の透明なガラスの、おちょこに、パープルと、レッドのハイビスカスが浮かべてあります。

説明の難しい様々な出来事を、言葉なしで、理解し、許し合える最高の伴侶は、誰でしょうか。

そんな人と、こんな夕刻に、おいしい日本酒の祝福を添えて、いい気持ちになりたい、と言う事でしょうか。

画面右には道路があり、人工物の電線と共に、右側の方向に働く力に引き込まれ、右の谷間に消えます。

太陽も、既に右の力に飲み込まれ、月も右方向に運行を開始しております。

右側の木も、長い年月をかけて、なんとなく、右側のパワーに反応した結果であり、そこには、大きな時間の流れが経過致しました。

せせらぎは、やはり、左から右へ流れ、右側の谷間が下流である事を認識させ、あの谷間の向こう側に、大海原が待っております。

私たち人間も、この力(宇宙の運行)を感じながら、全てが、必然的な事と理解しながら、その力に身を委ねる事の、安心感とか、喜びを感じ取りながら生活して行かなければいけません。

この偉大な力の認識こそ、全宇宙の法則に抱かれた自分の存在自体を、家族単位で感謝するように成れるのです。

Solo exhibition at the Sake Museum, Sapporo, Japan, on November 2004.