なぜなら、私にとって、こんな面倒な道具をハワイ以外のロケーションでは、とても使う気が起きないからです~smile~
朝、ホノルルの空港に着きますと、一目散にレンタカーに乗り込み、渋滞を避け、Like-like Hwy を北上し、太陽の位置と、貿易風を読みながら、日の出から日没まで、島の隅々まで車を走らせて、作品素材の収集を致します。
こんな取材を10日〜15日間こなし、それを日本に持ち帰り、直ちにマックに向かい、制作に打ち込みます。
土日も祭日も、お盆も正月もなく、朝4時半から、夕方7時まで、びっしりタブレットペンを持って仕事をして、だいたい、2か月間に一作品のペースです。
基本的には、周囲2〜3キロの範囲で撮影した風景写真の合成と、抽出された植物等のオブジェクトの配置により、フォトショップ上で一つのイメージとして再構築する作業内容です。
1年間のうち、2ヶ月は、展覧会や、プロモーション活動を行いますので、最大で年に5作が限界です。
現在使用している Mac Pro は、Mac Pro Quad-Core Intel Xeon 3.2GHz と、最速のグラフィック・カード NVIDIA Quadro FX 5600 の組み合わせと言う、現在のウルトラ・ハイエンドの Mac ですが、マックのスペックが上がると、作業効率も向上するはずなのですが、カメラ、プリンターの性能が上がれば、必然的にデータも巨大化して行きますので、作業効率は一向に改善される事なく、更に過酷なものとなる一方です~smile~
最近のフォトショップ上での作品データは、60〜80ギガバイトまで膨れ上がります。
32ビットで動作する最新の Photoshop CS4 では、実装メモリーの使用量は、9GB以内に制限されております。
作業は内部の実装メモリーだけでは全く不十分なので、Maxserve 社 の Serial Attached SCSI (SAS) ストレイジ 16台を格納するレイド・エンクロージャー NA-331A と、Areca Technology 社の SAS Raid Controller ARC-1680ix-16 PCI-Express を用いて、フォトショップの消費メモリーの9割をカバーします。
毎秒15,000回転のSASのディスク12台を"Raid 0" で一束にし、一秒間に 800MB ~ 1GB と言う驚異的な書き込み、読み込みの速度を実現する1.5テラ・バイトのキャパシティーを持つ外部メモリーを構築しております。
フォトショップで使用するメモリーの90%以上は、このMaxserve 社 の Serial Attached SCSI (SAS)レイド装置に大きく依存しております。
また、このスペックの装置であれば、データを格納するストレイジのスピードも追随できないので、レイド・エンクロージャー NA-331A の残りの4つのディスクにて別なレイド・アレイを構築し、同時に分散書き込みする事で、保存データーの書き込み/読み込みスピードを確保します。
なぜ、ここまで果敢に大きな作品の制作に立ち向かおうとするのか私自身良くわかりませんが、大きければ大きい程に、その思いのサウンドは、広く遠くまで届く事と、そして、より多くの方々の目に止まる事は間違いないと思うからです。
しかし、何もここまでしなくとも、と思われる方が多いと思うのですが、実際の所、普通に常識的なA-3サイズ程度の作品であれば、家庭用のコンパクトデジタルカメラと、 iMacと、プリンターさえあれば、本当は、誰でも簡単に作れてしまう時代となりました。
フォトショップによる、この新しい表現様式は、全ての人に与えられた素晴らしい可能性と言える事でしょう。
簡単に言ってしまうと、ディズニーのセル画をマック上で、フォトショップを用いてシュミレーションしていると言うと解りやすいと思うのですが、一枚一枚のレイヤーを、自由に変形したり着色したりできる事は、非常に楽しい作業です。
更に、これまで写真の世界では難しかった、細分化された黄金比に依るイメージ構築も容易にできてしまうので、非常に優れた表現手段とも言えると思います。
しかし、このようにして制作されたデジタルデータは、ウェブサイト上でのスクリーン表示に限らず、最終的には、フレームに納められた美術品として、長期の鑑賞に堪える姿に完成させられなければなりません。
デジタルアートのワークフローの内、最も遅れていたプリンターの進歩はめまぐるしい物が有り、つい最近までは、プロッターの領域だったラージフォーマット出力機も、ようやく、ファインアート作品の制作ツールとして確立されつつ有るようです。
コンピューターの小さな画面で作ったデータが、展覧会で要求されるF60号サイズまでの大きさで、スクリーンで見た通りに出力できるテクノロジーの進歩は、世界の美術界に、新しい手法による表現の夜明けを予感させる物です。
美術品として50年の寿命が問われるファインアートの世界で、インク単体、メディア単体のそれぞれの寿命ではなく、その全てのマッチングにより、フレームに納められた完成品としてのコンディションが、デジタルジークレープリントとして確立されつつあるのも、非常に嬉しい事です。
例えば、結婚記念で購入した作品が、30年以上鑑賞され続けると、孫の世代にまで継承作用され、新しい文化の礎石となりうる価値がある事を思い起こすと、私たちアーティストは大きな責任感をもって取り組む義務があると思うのです。
ファインアートの高い基準を十分に満たすツールとして、最終的な出力機器は、私にとって最も重要なプロセスを担う部分です。
出力機として確立された愛用機、HP Designjet Z3200 のストレスのないスムーズな階調表現は、私の最も言いたい部分を最も効果的に際立たせてくれる、料理のベースとなる豊潤なスープのような物です。
つまり、進歩の速いデジタルの時代だからこそ、最新の最善のツールを用いて、その可能性の極限までを引き出したくなるのは当然の事なのです。
元々、パソコン嫌いで、カメラマンでも画家でもない私は、自分の求める部分しか知ろうとしませんし、事実それしか知りません。
従いまして、私のツール選択の基本は、世界で最も優れていると評価を受けるエクイプメントを持つ事で安心しながら作業する事です。
また、最後には、アーティストが用いるエクイプメントとしては、創作意欲をかき立てるツールのデザイン性も重要な要素の一つです。
非常に難しいこだわりの部分ですが、入力から出力に至まで、正にアーティストが触れる物として愛すべきデザインは、これまでの事務機のような機械で仕事をしなければいけなかったストレスから、わずかながらでも、私をアーティスティックなモティベーションへと高めるための一つの重要な要素でもあります。
カメラと言う入力機器から、フォトショップと言うアプリケーション、Mac と言うコンピューター、そして、デジタル・プリンターと言うファインアート出力機器まで、これら全ては、人が世界の人々の喜びのための世界の共通言語を語るために作られた、アートのためのツールであると考えるなら、それは、世界中のあらゆる境遇の人々に対して平等に与えられるべき可能性だと思います。
多分、ダビンチが今の時代を生きていたとすると、このデジタルの手法を見逃す事無く自分の表現手段の一つとして用いていた事でしょう。
例え知られていない言語を話す人々であっても、また、例え、体に不自由をもつ方々であっても、伝えたいと言う意思さえ有れば、誰でも、絵筆、絵の具、パレット、キャンバス、アトリエ、、、などを、簡単に手に入れる事ができるのです。私は、ここに大きな可能性を感じずにはいられません。
much Love,
satoshi
Equipment :
デジタル・カメラ:
・ハッセルブラッド H3D-39 camera
3,900万画素数のセンサーを搭載した世界最大のデジタルカメラです。
コンピュータ :
・Mac Pro Quad-Core Intel Xeon 3.2GHz
ビデオカード :
・NVIDIA Quadro® FX 5600
RAIDアダプタ :
・ARC-1680ix-16 PCI-Express
ラックマウント :
・16 Bay Hot Swap Enclosure NA-331A
ハードディスク :
・Seagate Cheetah® ST3146855SS
ソフトウェア :
・Adobe® Photoshop® CS4 (English)
Digital tablet :
・Wacom Intuos 2 (18" x 12")
デジタル・ファインアート専用プリンター:
・HP Designjet Z3200 44-in 12-Colors Photo printer
・ハッセルブラッド H3D-39 camera
3,900万画素数のセンサーを搭載した世界最大のデジタルカメラです。
・Mac Pro Quad-Core Intel Xeon 3.2GHz
・NVIDIA Quadro® FX 5600
・ARC-1680ix-16 PCI-Express
・16 Bay Hot Swap Enclosure NA-331A
・Seagate Cheetah® ST3146855SS
・Adobe® Photoshop® CS4 (English)
・Wacom Intuos 2 (18" x 12")
デジタル・ファインアート専用プリンター:
・HP Designjet Z3200 44-in 12-Colors Photo printer